近年、スーツスタイルの中でもカジュアル化が進み、ネクタイをしないビジネスマンが増えています。しかし、そのような中でもファッションアイテムとしてネクタイの人気は高く、スーツはシンプルでもネクタイなどのアイテムで個性を出すコーディネートをしたり、フォーマルなシーン以外においてもアクセントとしてネクタイを締めるスタイルなどもあるようです。
そこで今回はネクタイのメンテナンスについて紹介します。
ネクタイを洗たくしますか?
ネクタイを洗ったりクリーニングに出したことはあるでしょうか?
平成18年度に全国クリーニング中央青年部会により行われた利用者意識調査によると、「ネクタイを必ずクリーニングに出す」と回答した利用者は58.5%と6割に満たず、一方で「出すのを迷う」と回答した利用者は14.9%という結果が出ています。
「ネクタイ」の多くは素材がデリケートである場合が多い為、洗うには自宅だとかなりリスクが高いです。そのような状況を考えると、上記の結果は低く、一般的に「ネクタイはクリーニングに出すもの。または、洗うもの」という意識がまだまだ低いのかもしれません。
ネクタイの素材
素材は絹素材が主流で、ポリエステル素材や毛素材などがあります。生地は織物が主流ではありますが、ニット素材のものも人気が高いです。
芯地には主として毛や毛混紡の素材、ポリエステル素材等が用いられています。
このように、自宅で洗うには難しい素材が使われていることが多い為、どうしてもクリーニングを利用した洗いが必要と言えます。
<ネクタイの構造>
ネクタイの3大注意点
汚れ
ネクタイは体の中心にあることから、食べ物や飲み物の汚れ・シミや、空気中のチリやゴミ、また汗など、想像以上に汚れが多く付着しています。
下の写真では、購入から一度も洗っていないネクタイの裏側にある折り返し部分を開いてます。露出している部分とそうでない部分の汚れ具合の差を確認出来るかと思います。
このように裏側でもこれだけ汚れが確認出来ますので、表地のほうはもっと酷い状態である可能性が高いです。
こうした汚れをそのままにしていると当然衣服と同様、傷みが激しくなり、お気に入りや大事なネクタイを駄目にしてしまいます。
傷み
ネクタイは絹素材が主流で、もともと毛羽立ちの起き易い素材ですが、絹素材でなくてもネクタイというアイテムの特性上摩擦やスレが起き易い場所に着用する為、毛羽立ちなどはある程度避けられないと認識しておいたほうが良いかもしれません。
ただ、毛羽立ちを防ぐ方法としては、衣服同様、出来るだけ着用を繰り返さないことです。
型崩れ
ネクタイは、「締めやすい」ことを目的に生地を斜めに裁断したパーツを組み合わせて作られているものが主流です。
その為、特に首を締め付ける部位(ネクタイの真ん中付近)では型崩れが生じることがあります。
ネクタイのお手入れとクリーニングのすすめ
このようにネクタイはデリケートなアイテムですので、やはり長く使う為には日頃のお手入れやクリーニングが必要不可欠と言えます。
日頃のお手入れでは、保管方法としてネクタイを締めたときのシワやくせをとる意味で、一時的にまるめておき、その後ハンガーに吊るしておくようにしておきましょう。
また、定期的なクリーニングはもちろん、シミなどがついた場合は無理に自分で落とそうとせず、出来るだけ早めにシミ抜きを依頼しましょう。シミが付くと慌てて水に濡らしたハンカチやティッシュなどで拭き取ろうとしてしまいますが、素材が絹の場合など、擦ると毛羽立ちが生じてしまい、かえって傷み具合が増してしまいますので注意が必要です。
一部写真・イラスト提供:
東京都ネクタイ協同組合
技術情報(全国クリーニング生活衛生同業組合連合会)