クリーニング店を正しく選んでいますか?
「家から近い」、「価格が安い」、「仕上がりが早い」、そのような理由で選んでいませんか?
クリーニング店は、どこも同じではありません。お店によって、価格もサービスも異なりますが、本当に良いお店は衣服にもお客様にも環境にもやさしいお店です。
このページでは、クリーニング店を正しく上手に利用する、お店の選び方をご紹介しております。
クリーニング店は選んで決めましょう
皆さんはどんな基準でクリーニング店を選んでいますか。「自分の家に近い所にあるから」、「通勤等の途中にあるから」、が一番多いかと思います。
皆さんが今ご利用になっているクリーニング店は近いからだけで満足されますか。お店の姿勢、店員の接客態度、クリーニングの技術など、大切な衣服を綺麗にしてくれるお店として本当に信頼出来るサービスを行なっているのかを、見極めましょう。
現在クリーニング店の数は全体的に減少傾向にありますが、それでも他のサービス業とは異なり、町にあるお店の数は非常に多いのが、クリーニングというサービス業の特徴です。
その為多くの選択肢の中から、大切な衣服を安心して預けられるパートナーを探すことは大変ですが、トラブルにあわない為にも、また皆さんの大切な衣服が少しでも長く着られるようになる為にも、お店は選ぶように心がけてください。
クリーニング店選びは『病院選び』と似ています
クリーニング店の選び方は"病院選び"に例えることが出来ます。
クリーニング店の中身は「洋服の病院」とも言い換えることが出来、イメージとしては次のように例えることが出来ます。
診察をしてもらえるお店ですか?
クリーニング店を利用する際に、最も大切なことは受付でのコミュニケーションです。
つまり、お客様と直に対応する店員に、衣服やクリーニングの知識が必要と言えます。
病院に例えると、クリーニング店の受付は「診察」と似ており、患者は症状を看護師や医師に伝え、症状に合った治療方法を教えてもらった後、適切に治療を行うことが使命であると考えられます。
要するに、クリーニング店は受付でお客様から、汚れの箇所やシミの状態、衣服の特徴などを聞き出し(お客様は伝え)、適切なクリーニング方法をお客様と共有するコミュニケーション能力が求められます。
よって、最低限の繊維の知識や衣服の事、自分のお店のクリーニング処理方法が分からない...といった店員が受付にいるお店は避けることをお勧めします。
クリーニング店には3つのタイプがあります
自家洗いのお店 | 出したお店の中でクリーニング処理を行っているタイプ。家族経営などの自宅兼店舗であるお店や、工場と受付が一体となっているユニット店などがあてはまります。 |
---|---|
取次店 | お店では衣服の受け渡しのみを行い、クリーニング処理は別の場所(工場)で行っているタイプ。主にチェーン店などがあてはまります。 |
無店舗取次店(ネット宅配クリーニング) | 建物としてのお店そのものが無く、代わりに車両を店舗化して衣服の受け渡しのみを行い、処理工場に取り次ぐタイプや、インターネットのウェブサイトから注文を受け付け、宅配便業者が自宅等まで品物を引き取り、提携クリーニング工場へ送り、処理後宅配便業者により届けられるサービス。 |
そこで共通の店選びのポイントとしては、次の2つの事項に注目してみるのをお薦めします。
ポイント1
洗たく物を渡す際や受取る際に、洗濯物の処理方法等について説明があるか?または説明できているか?カウンターで受付を行う店員に、ある程度の専門知識が備わっているか?を見極めましょう。たとえアルバイトやパート店員などでも研修教育などにより基本的知識を備えているお店ですか?また、クリーニング処理が行われる前にリスク説明がきちんと行われていますか?
クリーニングトラブルの多くは受付(クリーニング処理以前)でのやりとりに原因があると言われおり、店選びでも非常に重要なポイントです。
ポイント2
サービスを利用した際に、苦情の申し出先とも成り得る連絡先(店名・住所・電話番号等)が分かる書面等の発行が行われているか?トラブルが起きてはじめて自分の利用しているクリーニング店の名前や住所、電話番号を確認する方が意外に多いようです。またその際に、手元にそれら情報の載っている書面が無いことに気付く方も多いようです。事が起こる前に、必ず確認しておきましょう。
これら2つのポイントは、クリーニング業法でも、「利用者の利益の擁護を図ること」を目的に義務化されており、本来営業者がクリーニングサービスを行う上でとても重要な仕事になります。
また「処理方法等の説明」に関しては、利用者側にとってもこれまで特に必要性を感じることなく利用していませんでしたか?ところがトラブルに一度でも遭うと、その必要性を痛感するはずです。避けられるトラブルを防ぐ為にも、必ず説明の出来る人が受付を行っているのか?また、常駐しているのか?を確認してください。
処理工程の違いを知ろう
自家洗いのお店 | 取次店 |
---|---|
自家洗い店でのクリーニング処理工程 | 取次店でのクリーニング処理工程 |
その他に見極めるポイント
料金について
まず、業者は、クリーニングの基本となる「ドライクリーニング」「ランドリー」「ウエットクリーニング」の3通りの洗い方の中で、各店が技術の向上に努力しています。また同様に、スタッフ教育など接客業としてのサービス向上に対する努力も行なっています。
しかしその熱意の高低で、長い間にはサービス業たる技術や質の格差が生じている事も事実です。
つまり、溶剤管理にコストをかける、しみ抜きの特殊技術の習得に費用をかける、カウンター業務に力をいれる、環境保全に努めている等の、「コスト」をどのようにかけているかにより、クリーニング料金の差が出ている理由です。
また、クリーニング料金が極端に安いサービスというのは、本来行なうべき作業を単純化し、作業に費やすコストを最小限に留めることで、実現している価格である場合もあります。
お店を選ぶ時は、この事を充分考えて検討してください。
技術について
クリーニングの技術の良さを見極めるには、1度や2度の利用では分かりにくいものです。
はじめはワイシャツのような簡単な物から出して、技術の程度をチェックしましょう。ワイシャツ仕上げの上手なお店は、技術の良いお店で大事な衣類や高級品も安心して出せるお店である場合が多いです。
ワイシャツの仕上げは、クリーニング師試験の実技試験で行なわれる基本的な仕上げ技術ですが、初心を忘れずワイシャツ仕上げへの追求も怠らないお店は、職人としてのレベルアップに力を入れていると言えるでしょう。
職人=絶え間ない「探究心」
クリーニングという仕事は、思っているより奥の深い仕事です。
例えば、、、「大切なぬいぐるみなんだけど、クリーニングしてくれるのかしら?」
「こんなシミ、プロでも落とせないよな...気に入ってるのに(泣)」など、「ちょっと無理なのでは・・・?」と思うようなモノを快く「やってみましょう!」と言ってくれるチャレンジ精神を持つお店は、技術に対して探究心をもって取り組んでいるお店のはずです。 こういうお店は技術の習得に真面目に取り組んでいるお店です。
基本的なサービスについて
クリーニングを利用する際には、お店側とお客様との間には下記のやり取り(契約)が行われていると言えます。
お店・・・・・「お客様から品物を預かりました」
お客様・・・・「お店に品物を預けました」
つまり、この契約を証明する手掛かりが一般的に必要となります。、これが「預かり証」となります。ところが、一部店舗においてはこの「預かり証」を発行せずに、口頭と記憶のみでサービスを遂行する店舗もあるようです。
思わぬトラブルに見舞われない為にも、「預かり証」を発行する店舗を利用することをお勧めします。
法律を守っているか
携帯電話で注文を受ける「無店舗のクリーニング取次業者」がここ数年増えています。
電話一本という便利なサービスではありますが、そうした利便性のみに目を奪われる消費者を騙す悪徳業者も居り、「衣服を引き取りに来たまま返ってこないばかりか、連絡も取れなくなった...」といった事例も多発しています。
そこで、無店舗クリーニング取次業者によるトラブルや、その他クリーニングトラブルに対処するため、平成16年4月16日に「クリーニング業法」の一部改正案が国会で成立公布され、同年10月1日から施行されました。
【改正の主な内容】● 無店舗業者に都道府県への届出を義務付けること。
※詳細ページ(厚生労働省)
● 業務用車両に必要な衛生措置を講ずることを明記。
● 洗濯物の受け渡しの際に洗濯物の処理方法等について説明するよう努めること。
● 苦情受付先を明示すること。
よって、次の内容をチェックしましょう。
□ チェック1
クリーニング所を開設しないで洗濯物の受取及び引渡しをすることを営業としようとする者(無店舗業者)は、確実に都道府県に届出が済んでいるか?
□ チェック2
カウンターなどで品物の受け渡しの際には、クリーニングの処理方法等の説明が出来る者が居るか?
□ チェック3
万が一トラブルが起きた際などに備え、苦情の申し出先が店内に掲示してあるか?また、領収書や預かり証などの書面に記載がされているか?
参考:明示されるべき項目
・クリーニング所の名称
・所在地
・電話番号
クリちゃんマーク、LDマーク、Sマークを参考にする
クリちゃんマークとは
クリちゃんマークとは、都内の組合加盟店を表すシンボルマークです。
このマークは、1都3県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)の組合加盟店で使用され、お客様が組合店を探す際の、目印になります。
また、万が一、クリーニングトラブルが発生した場合には、「クリーニング事故賠償基準」に基づいた対応でトラブルの処理にあたります。
LDマークとは
「LDマーク」とは、全国クリーニング生活衛生同業組合連合会が作成した、47都道府県共通の組合加盟店を表すシンボルマークです。
組合に加盟している「LDマーク」店は、ファッションの多様化による新しい素材や加工などに応じた「プロの洗い技術」で、お客様に質の高いサービスを提供するよう心がけております。
また、万が一、クリーニングトラブルが発生した場合には、「クリーニング事故賠償基準」に基づいた対応でトラブルの処理にあたります。
「L」は「Laundry」、「D」は「Drycleaning」の頭文字を表しています。
Sマークとは
Sマークとは、厚生労働大臣の認可を受けて設定されている標準営業約款制度に登録されている店舗のシンボルマークです。Sマークは「Safety=安心であること」「Sanitation=清潔であること」「Standard=確かな技術であること」を表現し、登録には様々な基準があることから、お客様がお店を選ぶ際の目印として、非常に役立ちます。
Safety=安心であること。
Sマーク登録店は、万一事故が発生した場合、事故賠償基準に基づいて賠償が行えるよう、損害賠償責任保険に加入しています。
Sanitation=清潔であること。
Sマーク登録店は、衛生的なサービスを提供出来るよう、営業施設又は、設備についての基準を定めております。
Standard=確かな技術であること。
Sマーク登録店は、標準的なサービスを提供出来るよう、提供する役務の内容、基準を細かに定めております。